「どの本数が正解? ‘輪数’って何? いくらが相場で、いつ届けば失礼じゃない?」――胡蝶蘭を贈る瞬間は、喜びと同時に小さな不安もつきもの。
せっかくなら、“見た目の迫力”も“ビジネスマナー”も両立させたいですよね。
本記事は、はじめての方でも迷わず選べるように、本数・輪数・相場・マナーを一気通貫で整理。
開店・移転・就任・上場などシーン別の最適解から、立札の書き方、届けるベストタイミング、失敗しない発注テンプレまで、プロ目線の実務ポイントをぎゅっと凝縮しました。
読み終えるころには、受付前でも式典会場でも自信をもって映える一鉢を“指名買い”できるはずです。
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胡蝶蘭は本数×輪数=見栄え。相手先や会場の広さに合わせて本数を決め、写真映えや密度は輪数で調整するのがコツです。
相場感は用途と輪数で大きく変動、ビジネスなら色は白が最安全。届けるのは原則前日午前中、表示は立札で「御祝」+正確な社名・役職・氏名を。お見舞いは鉢物NGなど、TPOの配慮も忘れずに。
迷ったときの万能解は、「大輪・白・3本立ち・36輪以上」。会場が広い、格式を出したいなら5本立ち以上へ。
最後に、用途/設置場所の幅/予算/立札文言の4点を先に固め、輪数は“最低保証”で指定すれば、仕上がりのブレを最小化できます。
“贈って正解”の胡蝶蘭は、準備八割で決まります。
胡蝶蘭はなぜ“お祝いの王道”なのか(基本と花の種類)
花持ちが長い・香りが強すぎない・花粉が落ちにくいため、エントランスや受付などの人が集まる場所に置きやすいのが最大の理由。
「大輪」「中大輪(ミディ)」「ミニ」のサイズがあり、大輪は1輪の直径が大きく見栄えが段違い。企業祝いは大輪が基本、個人宅はミディやミニが飾りやすいのが通例です。
「本数」と「輪数」の正しい見方(豪華さ=見た目の根拠)
用語
本数(◯本立ち):1鉢に寄せ植えされている花茎の本数。
輪数:咲いている花+つぼみの合計の花数(1鉢の合計で表記)。
目安:大輪は1本あたり約10〜15輪が一般的。よって「3本立ち36輪」=1本平均12輪の計算。輪数が多いほど密で豪華に見え、価格にも反映されます。
体感に直結する指標
同じ3本立ちでも「36輪」と「30輪」では横幅・密度が違う。写真映えや式典の存在感を重視するなら輪数重視で選ぶのがコツ。
本数別の相場・サイズ感・おすすめシーン早見表
| 本数 | 相場の目安 | 輪数の目安 | サイズ感 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 1本立ち | 3,000〜7,000円 | 8〜15輪前後 | コンパクト | 自宅用・軽い御礼 |
| 2本立ち | 5,000〜15,000円 | 16〜30輪前後 | 小〜中 | 友人の小規模開店 |
| 3本立ち | 10,000〜30,000円 | 30〜45輪前後 | 中 | 開業・移転祝いの定番 |
| 5本立ち | 30,000〜60,000円 | 50〜70輪前後 | 大 | 上場・大型開店・就任 |
| 7本立ち | 70,000〜150,000円 | 80輪以上 | 特大 | 周年・大規模竣工式など |
※価格は直近の相場情報をもとにしたレンジです(実売は産地・輪数で上下)。
ワンポイント
見た目の迫力=本数×輪数。5本立ち50輪より3本立ち42輪の方が締まって見える場面もあります。会場幅が限られる受付前は、高輪数の3本立ちが収まりよく“映える”ことも。
シーン別:最適な“本数×色×サイズ”の選び方
開店・開業・移転祝い
本数:3本立ち(定番)/5本立ち(華やか)
色:白が無難。企業カラーに合わせて淡色(ピンク・黄色)も可。
サイズ:エントランス広め→5本立ち、大型店や竣工式→7本立ちも。
就任・昇進・上場・受賞など格式高い祝い
5本立ち以上や高輪数3本立ちで格を出す。色は白基調が安心。
個人宅・病室に置くなら
ミディ〜中大輪の1〜2本立ちが現実的。
ただしお見舞いに鉢物はNG(「根付く=寝付く」を連想)。花束やアレンジへ切替がマナー。
色の基本ルール
白:ビジネス全般の最安全色。
ピンク:母の日・女性向け・個人ギフトに好相性。
赤一色:赤字・火事を連想し嫌う向きも。企業イメージならOKだが迷うなら避ける。
ビジネスマナー完全ガイド
お届け日
ベストは“前日午前中着”。当日朝は設営混雑とバッティングしがち。招致側の準備を妨げないのが礼儀。
立札(木札)・表書き
表書き例:「祝 開店」「御祝」「祝 御移転」「祝 就任」
名義:贈り主を明確に。連名は役職順/社内序列順が基本。肩書・社名表記は正確に。
熨斗(のし)・メッセージ
胡蝶蘭の法人贈答は立札が基本。個人宛や自宅向けはカード同封が丁寧。
六曜・仏滅の配慮
受け手が気にする場合は仏滅は回避。事前確認が無難。
NGになりやすいケース(お見舞い・弔事の考え方)
お見舞い:鉢物は避ける(「根付く=寝付く」で長患いの連想/手入れの負担)。贈るなら切り花アレンジへ。
弔事(葬儀・法要):地域・宗派や式場ルール次第。四十九日までは白が基本。以降は色味を許容する場面もあります。まずは喪家や式場へ確認を。
例外的に、弔事で鉢植え胡蝶蘭を受け入れる解釈(「安住の地に根付く」)があるとの見解も。地域差が大きいため必ず事前確認が安全。
失敗しない発注チェックリスト
チェックリスト
用途(開店/就任/移転/竣工/個人祝い など)
設置場所の広さ(受付台・エントランス幅)
本数(3本 or 5本 or 7本)
輪数指定(例:3本立ち36輪以上)
色(白が基本/企業カラー対応の可否)
立札内容(表書き+社名・役職・氏名/連名ルール)
お届け先情報(住所・時間帯・担当者・搬入動線)
到着日(前日午前中着 or 式典当日指定)
ラッピング(白系で上品/企業カラー差し色)
写真共有の要否(設置完了写真を希望するか)
発注テンプレ
件名:胡蝶蘭手配のお願い(◯月◯日納品)
用途:◯◯祝い(会場受付に設置予定)
仕様:大輪 3本立ち 36輪以上 白/上質白ラッピング
立札:表書き「御祝」/「株式会社〇〇 代表取締役 △△ △△」
納品:◯月◯日(前日)午前中着/設置後写真の共有希望
予算:税込◯◯円(送料・ラッピング込)
その他:輪数不足時は同等以上へ無償アップグレード可否をご教示ください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 3本立ちと5本立ち、どちらが“正解”?
A. 会場の広さと見栄え基準で。幅が限られる受付や小規模店舗は“高輪数の3本立ち”、広いエントランスや式典舞台は“5本立ち以上”が映えます。価格は輪数でも上下します。
Q2. 輪数はどのくらいを選べばよい?
A. 大輪の平均は1本10〜15輪。写真映え重視なら3本=36輪以上、5本=60輪前後を目安に。
Q3. 価格の相場感は?
A. 3本立ち:1万〜3万円、5本立ち:3万〜6万円が直近の相場レンジ。大輪・高輪数・ブランド産地で上振れします。
Q4. 色は白一択?
A. ビジネスでは白が最無難。個人や企業カラーならピンク・黄色なども。赤一色は避ける配慮が無難(赤字・火事の連想)。
Q5. いつ届けば失礼がない?
A. 前日午前中着が理想。混雑回避と設置余裕のため。
Q6. お見舞いに胡蝶蘭の鉢はダメ?
A. NG。鉢物は「根付く=寝付く」でタブー。切り花に切替を。
Q7. 弔事での胡蝶蘭は?
A. 地域・式場ルールに依存。四十九日までは白が基本。まず確認を。