「開店・開業のお知らせ」が届いた瞬間、胸が躍る一方で――“何を、いくらで、いつ贈るのが正解?”と迷ったことはありませんか。
せっかくの門出に選び方を誤って相手に気を遣わせてしまうのは避けたいもの。そこで本ガイドでは、縁起物の意味から相場・マナー(のし/水引/贈る時期)、さらに業種やスペースに合わせた実践的な選び方までを一気通貫でまとめました。
胡蝶蘭や招き猫など“王道の縁起物”はもちろん、避けるべきNGアイテムや言い回し、そのまま使えるメッセージ文例、迷わず動ける7ステップの手順まで網羅。
これさえ読めば、相手の繁盛と発展を願う“意味のある一品”を、自信をもってスマートに贈れます。保存版としてぜひ活用してください。
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開業祝いの基本マナー(のし・水引・表書き・贈る時期)
のし・水引:慶事用の紅白・蝶結びを使用(何度あっても良いお祝いの意)。表書きは「開店御祝/御開業御祝/御開院御祝」など、下段に贈り主の社名・氏名を記載します。
立札(胡蝶蘭・スタンド花):上段に「御祝/祝開店」等、相手の店名を入れると周知にも役立ちます。
贈る時期:生花や大型ギフトは開店の1週間前〜前日着が基本。開店当日は先方が多忙で搬入の負担になるため避けるのが無難です。
相手別「いくら贈る?」相場早見表
関係性 | 相場の目安 |
---|---|
取引先・顧客 | 1万〜5万円 |
友人・知人 | 5千円〜1万円(〜3万円まで) |
親族 | 2万〜5万円 |
※地域慣習・関係の深さで増減あり。社名で贈る場合は社内規定を確認しましょう。
開業祝いで“本当に喜ばれる”縁起物10選(意味つき)
業種やスペースに合わせ、「置き場所・サイズ・手入れ負担」を事前確認すると失敗しません。
胡蝶蘭(大輪・中大輪)
意味:幸福が飛んでくる/格調高い門出を祝う定番。
相場:1万5千〜5万円(サイズ・輪数で変動)。立札は「御祝+贈り主名」。配送は1週間前〜前日着が◎。招き猫(右手/左手/色)
意味:右手=金運、左手=客招き。白=開運、金=金運、黒=魔除け など。商売繁盛の象徴。だるま(目入れ)
意味:目標達成・必勝祈願。片目を入れてスタート、達成で両目に。
※色は赤が伝統だが、後述の“赤=火・赤字連想”を気にする相手もいるため、黒・白・金などのカラー展開も検討を。熊手(福を“かき集める”)
意味:商売繁盛・千客万来。壁掛け・卓上サイズなら省スペースで◎。七福神・恵比寿大黒の置物
意味:福徳・商売繁盛の象徴。素材やサイズで価格調整しやすい。干支・破魔矢などの縁起飾り
意味:厄除け・開運。和モダン内装と相性が良い。縁起の良い実用品(名入れ)
例:社名入り印鑑・スタンプ、記念プレート、レセプションベルなど。
※刃物に該当する品は後述のNGに注意。観葉植物(ゴム・パキラ等)
意味:成長・繁栄。店頭スペースや日当たり、手入れの可否を必ず確認。カタログギフト(業務用・消耗品系)
意味:必要なものを先方が選べる“実利”。のし付き手配でフォーマルに。スイーツ・コーヒー等の来客用消耗品
意味:来客対応にすぐ使えて負担が少ない。香りが強すぎないものを。
(1・2・8は由来やマナーに関する根拠を本文脚注で反映)
NGアイテム&NGワード|知らないと失礼になるタブー
赤いもの:“赤字・火”を連想させるとして忌避されることがある(相手の価値観次第だが、ビジネスでは避けるのが無難)。
火を想起させる品:ライター・マッチ・ろうそく・灰皿・暖房器具など(火事連想)。
刃物類:縁起物として“縁を切る”連想で避けられがち。
強い香りのディフューザー:飲食・医療系ではクレームにつながる恐れ。
メッセージのNGワード(忌み言葉)
火災:燃える/焼ける/炎/煙/赤/灰
経営悪化:傾く/落ちる/不景気/枯れる/さびれる/下がる
倒産・閉店:倒れる/潰れる/壊れる/閉じる/消える/失う など。
失敗しない選び方:用途・業種・スペース別のコツ
スペース確認:カウンター上は横幅30cm以下目安、通路は動線を塞がない高さに。大型アレンジは必ず事前確認。
業種別の向き・不向き
飲食店:胡蝶蘭・スタンド花・来客用消耗品が実用的。強香は避ける。
美容・サロン:観葉植物・インテリア性の高い置物。粉塵が出る花材は控えめに。
クリニック:清潔・落ち着き重視。白系胡蝶蘭、小ぶりで管理しやすい鉢。
事務所:名入れ実用品・縁起置物(招き猫・だるま)+メッセージで。
色選び:白・金・緑系は万人向け。赤は相手の嗜好を把握している場合のみ。
表書き・立札:法人なら社名表記を最優先。共同で贈る場合は代表者名+一同が見やすい。
配送計画:生花は「前日着」、設置同梱が必要なら専門店手配で。
メッセージ文例(ビジネス/友人/親族)
ビジネス(取引先へ)
御開業、心よりお慶び申し上げます。貴社ますますのご発展と皆様のご健勝をお祈りいたします。
(のし上:御開業御祝/のし下:株式会社○○ ○○部 一同)オフィスギフト友人・知人へ
開店おめでとう!たくさんのお客様に愛されるお店になりますように。体に気をつけて、楽しみながら頑張ってね。
親族へ
このたびの開院、誠におめでとうございます。地域に頼られる医院となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
※スピーチやカードでは忌み言葉を避け、前向きな表現に。
贈る手順チェックリスト(7ステップ)
相手の業種・広さ・内装色を確認(電話やSNSでOK)。
予算を決める(第2章の相場を参照)。
品物を決定(生花・置物・実用品)。
のし/立札の表記を作成(「御祝」+贈り主名、法人は社名を明記)。
配達日時を指定(1週間前〜前日着)。
メッセージ文を同封(忌み言葉回避)。
到着確認とお祝い連絡(写真共有があると先方のPRにも役立つ)。
よくある質問Q&A
Q. 招き猫は右手と左手、どっちが正解?
A. 右手=金運、左手=客招き。商店やサロンは左手、金融・BtoBは右手を選ぶなど、業種に合わせて選ぶと理屈が通ります。色も白(開運)・金(財運)・黒(魔除け)などの意味づけが一般的です。
Q. のしは蝶結びと結び切り、どちら?
A. 開業は何度あっても良い慶事なので紅白・蝶結びが基本です。
Q. 胡蝶蘭はやっぱり定番?置き場所が心配…
A. 定番で失敗が少なく、立札で贈り主表記もできてPR効果があります。サイズや輪数を調整し、動線を塞がない位置を事前に確認しましょう。配送は前日までが安心。
Q. 赤いラッピングはNG?
A. ビジネス慣習上、赤=赤字/火の連想を気にする方がいます。迷う場合は白・金・緑系が無難です。