取引先の創立記念、何をいくらで、どんな“のし”で贈れば正解か——迷いがちなポイントを、ビジネスマナーと実務の両面から一気に解決します。
本稿では、関係性別の相場感、紅白蝶結びのしの表書き、避けたいNG品、そして実際に喜ばれる定番&実用的ギフトまでを、初めての担当でもそのまま使える形で整理。
手配の段取りや文例も揃えているので、読み終える頃には「自信を持って、失礼なく、センス良く」贈れるはず。大切な節目に、貴社の“気配り”が伝わる一手を一緒に整えましょう。
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創立記念の贈り物は、「時期(前日到着が基本)」「相場(関係性で調整)」「のし(紅白蝶結び・『創立○周年御祝』など)」「品選び(胡蝶蘭・名入れ記念品・社内配布しやすい菓子やカタログ)」の4点を押さえれば失敗しません。
迷ったら、案内状の表記に合わせて創立/設立を確認し、社内の過去実績と照らして予算決裁→在庫確保→のし・立札作成→前日着で配送、の順に進めましょう。
相手の社風や内規への配慮が最良の“マナー”であり、結果的に関係強化の近道です。
贈る相手・業種・ご予算を教えていただければ、立札文面やのしレイアウトまで“そのまま発注できる形”で整えてお渡しします。
創立記念の基本:贈る時期・相場・タブー
贈る時期
式典がある…前日までに到着(当日はバタつくためNG)。
式典なし…記念日の1週間前〜当日着が一般的。
金額相場(対企業)
重要な取引先:3万〜5万円(大規模・節目の年は増額も)。
通常の取引先:1万〜1.5万円(1〜3万円のレンジという解説も多数)。
取引のない知人の会社:5千〜1万円。
パーティー参加時のご祝儀:通常1〜3万円、重要先3〜10万円が目安。
※ 関係の深さや、相手から以前いただいた金額に合わせるのが無難です。節目(10年・30年など)は少し上乗せ。
縁起物とNG品
避けたい定番:櫛(「苦・死」連想)、白いハンカチ(弔事連想)、刃物(「縁が切れる」)。
数字の忌み:4・9は避け、セット数や単価に配慮。
ただし近年は文脈でポジティブ解釈(例:刃物=「道を切り拓く」)もあります。相手の好みや社風次第で判断を。
のし・水引・表書きの正解
水引
紅白の「蝶結び(花結び)」一択:何度でも結び直せる=「慶びが続く」。
結び切り/あわじ結びは結婚など一度きりの慶事向けで、周年祝いには不向き。
表書き(上段)
「御祝」「祝○周年」「創立○周年御祝」「御創立○周年御祝」。
創立と設立の違いに注意(案内状の表記を確認)。
名入れ(下段)
個人で贈る:氏名。
会社として:会社名+役職+氏名(または会社名のみ)。
メモ:のし袋に使う筆記は濃い黒の毛筆・筆ペン。薄墨・ボールペンはNG。
立場別「予算の決め方」早見表
立場・関係性 | 目安金額 | 補足 |
---|---|---|
重要な取引先 | 3万〜5万円(〜10万円) | 節目年は増額。相手の規模感も考慮。 |
通常の取引先 | 1万〜1.5万円(〜3万円) | 日頃の取引規模に合わせる。 |
取引なし(友人・知人) | 5千〜1万円 | 個人名義で気軽に。 |
祝電のみ | 数千円〜 | メッセージ重視でOK。 |
社内で贈る場合(社員→社長)は人数割りで調整するのが実務的。
失敗しないおすすめお祝い品10選
胡蝶蘭(立札付き)
定番で華やか。式典会場・受付に映える。色は白が無難。配送日時指定&回収手配も忘れず。観葉植物
「成長」「繁栄」の象徴。置き場所・手入れの容易さも確認。上質な菓子折り(個包装・常温)
社内配布しやすい。アレルギー表示や賞味期限も要チェック。カタログギフト/ギフト券(会社規定の可否確認)
先方で選べる利点。内規で金券NGの企業もあるため事前確認。名入れ記念品(時計・プレート・ペン・ボトル)
記念性が高く、来客スペースやエントランスに◎。のし・立札の表書きを併用。銘酒(社名入りラベル)
式典後の社内乾杯や保管用。相手の宗教・社風により可否確認。コーヒー/ティーセット(業務用サイズ)
日常消費で喜ばれやすい。来客用備品の補充にも。高級果物・保存性のある食品
個包装・常温・日持ちを優先。冷蔵が必要なものは事前連絡。記念寄付・植樹・記念広告
SDGs文脈での評価も。先方の広報と連携して掲出可否を確認。祝電(式典向け)
式典プログラムに載ることも。台紙の種類と配達時間を要確認。
避けたい品:櫛、白ハンカチ、刃物、4・9に絡むセット、踏みつける物(マット等)、会社規定で禁止の金券・時計類など。状況により例外もあるため、迷ったら先方の総務へ匿名確認が安全。
メッセージ&祝電の文例(そのまま使える)
汎用(対取引先)
「創立○○周年、誠におめでとうございます。これまでのご功績に敬意を表し、貴社のますますのご発展とご隆盛をお祈り申し上げます。」節目年向け
「創立○○周年の節目を迎えられ、心よりお祝い申し上げます。さらなる飛躍と皆様のご健勝を祈念いたします。」カジュアル(知人の会社)
「創立○○周年おめでとうございます。これからの新たな挑戦を応援しています。」
祝電は前日着を目安に。台紙・文字数・読み上げ可否を事前に選択。
手配の段取り(チェックリスト付き)
手配フロー(最短5ステップ)
日程と表記の確認:記念日、式典の有無、「創立」or「設立」を招待状でチェック。
立場別に予算決定:上の早見表に沿って社内決裁。過去実績も参照。
品物の選定・在庫確保:相手の内規(金券可否・飲食物の持込など)確認。
のし・立札の作成:紅白・蝶結び/表書き「創立○周年御祝」など/会社名+役職+氏名。
配送手配:前日到着指定。胡蝶蘭は回収手配、食品は賞味期限に注意。
同梱書類テンプレ
挨拶状:本文は文例を流用。
納品書:金額は同梱しない(贈り物)。
よくある質問Q&A
Q1. 「創立」と「設立」のどちらを書けばいい?
A. 招待状の表記に合わせましょう。創立=事業を始めた日/設立=法人登記の日。迷ったら「御祝」で汎用対応。
Q2. 水引は「蝶結び」で良い?
A. はい。周年祝いは「繰り返して良い慶事」なので紅白の蝶結びが基本。
Q3. 欠席する場合のご祝儀は?
A. 参加時よりやや控えめでも可。品物+祝電の組み合わせも好印象。
Q4. 何を贈るか迷う…無難な一手は?
A. 胡蝶蘭かカタログギフト+祝電が王道。相手の社風が堅めなら名入れ記念品も◎。